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高血圧患者における血圧日誌の実態調査─理想的な血圧日誌作成に向けて

No.4973 (2019年08月17日発行) P.37

鳥羽梓弓 (東京都健康長寿医療センター循環器内科)

原田和昌 (東京都健康長寿医療センター副院長)

石川讓治 (東京都健康長寿医療センター循環器内科専門部長)

桑島 巌 (東京都健康長寿医療センター顧問)

登録日: 2019-08-16

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  • わが国における家庭血圧計の普及率は高いが,家庭血圧の測定方法は様々で,血圧日誌は様式が一定していない

    アンケート調査によると家庭で使用中の血圧測定器具は,上腕布巻きタイプが2/3を占めたのに対して,手首タイプも22%みられた

    測定は毎日,朝夕測定している例が多かったが,測定のタイミングにばらつきがあった

    血圧日誌への記載は数値のみが80%を占め,グラフよりもわかりやすく便利と答えた例が73%と多かった

    記録内容を医師に見せていない例が32%にみられ,医師側への指導も必要と思われた

    1. 調査の目的

    家庭血圧は,診察室血圧と比較し高血圧性臓器障害や心血管関連イベントのリスクと相関性が高い。わが国での家庭血圧計の普及率は高く,4000万台以上とも推定されている。日常診療では,外来時に家庭血圧の記録を参考に降圧薬の調整や食生活,運動に関する指導などを行う医師が多い。しかし,家庭血圧測定の方法や測定タイミングなどは様々である。
    医師から患者への測定方法の指導は,基本的にはガイドラインに沿ってなされるが,適切な指導はさることながら,血圧を記録する日誌も適切な家庭血圧測定,評価に重要な役割を担う。紙媒体の血圧日誌は病院や薬局で配布しているほか,製薬会社のホームページから無料でダウンロードが可能である。また,電子機器の発展によりパソコンやスマートフォンのソフトでも血圧を記録できるようになったが,高齢者には使用が困難なことも多い。血圧日誌についても製薬企業,雑誌社などからかなりの種類の小冊子が出版され,供給されているが,血圧日誌の記載方式に関しても,血圧値のみのものもあればグラフ併記のもの,複写式のものなどまちまちである。これらの血圧日誌のほとんどが無料で配布されているが,近年の製薬企業不況により血圧手帳配布から撤退する企業も現れている。そこで今後,学会や病院などで独自に血圧日誌を作成し,患者に利用して頂く方針が必要とされる。そのためには高血圧患者がどのように家庭血圧を測定し,その数字を日誌に記入しているか,その実態を明らかにする必要がある。今回我々は,血圧日誌を,患者医師双方にとって使いやすいものに統一するべく,家庭血圧測定の記録媒体に関する調査を行い,どのような記録方法が使いやすく日常臨床にも適しているのか検討した。

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