初期臨床研修制度の見直しが2020年に実施される。「日本型病院ジェネラリストの育成」を全国各地で展開し、現在、群星沖縄臨床研修センター長を務める徳田安春氏に、よい医師を育てるポイントを聞いた。
沖縄県内の民間病院が、よき臨床家を育成するために、思想信条を超えて一致団結し、初期研修医教育を行うプロジェクトです。8つの基幹型病院と20カ所の協力型病院、計28病院が連携して、研修医にとってベストな研修プログラムを提供しています。
1年目は基幹型病院で基本的な診療科をローテーションで回り、2年目は協力型病院や他の基幹型病院の希望の診療科で研修を受けます。研修期間中は、指導医やシニアレジデントなどがきめ細かく屋根瓦式指導を行います。
研修医は、救急医療、外科系が強いなど、それぞれの病院の得意分野を生かした研修を受けられます。一方で、各病院にとっては、初期研修に必須の科が揃っていなくても研修医を受け入れられるメリットがあります。
このプロジェクトは、初期臨床研修必修化された2004年、沖縄県立中部病院元院長の宮城征四郎先生(群星沖縄臨床研修センター名誉センター長)を中心に立ち上がりました。大学病院中心ではなく、経営主体やバックグラウンドの異なる民間病院が、初期臨床研修のために連携するのは、全国でも珍しいのではないでしょうか。