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非心臓手術周術期における β遮断薬治療ガイドラインの改訂 [J-CLEAR通信(53)]

No.4754 (2015年06月06日発行) P.40

許 俊鋭 (東京都健康長寿医療センター長/J-CLEAR評議員)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-02-17

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  • ┃非心臓手術周術期のβ遮断薬 治療ガイドライン改訂の背景

    米国では,虚血性心疾患(ischemic heart disease:IHD)を合併する非心臓手術患者の比率がわが国より著しく高く,外科医や麻酔科医にとって周術期患者管理におけるIHDは大きな研究テーマであった。

    1980年以来,ACC/AHAにより心血管疾患におけるガイドラインづくりの一環としてGuidelines on Perioperative Cardiovascular Evaluation and Care for Noncardiac Surgeryの作成が進められた1)。また,2009年にESC/ESAもGuidelines for Pre-operative Cardiac Risk Assessment and Perioperative Cardiac Management in Non-cardiac Surgery2)を作成した。

    周術期では心筋虚血が誘発されやすい。β遮断薬は心筋酸素消費量を減らすことで,心室性不整脈を抑制する作用を有する。そのため,周術期心事故リスクの高い非心臓手術患者に対するβ遮断薬投与は,心血管合併症を減少させる可能性がある。

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