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ブルガダ症候群[私の治療]

No.5025 (2020年08月15日発行) P.37

髙木雅彦 (関西医科大学総合医療センター不整脈治療センター教授)

登録日: 2020-08-13

最終更新日: 2020-08-07

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  • ブルガダ(Brugada)症候群は,明らかな器質的心疾患を認めず,非発作時の心電図にて右側胸部誘導(V1~V3)に特徴的なST上昇(J点が2mm以上基線より上昇しST部分がなだらかに下降し陰性T波を伴うcoved型,あるいは同じくJ点が2mm以上基線より上昇しST部分は馬の背中につける鞍のように下に凸の形を呈するsaddle-back型)を認め,QT延長を伴わず突然心室細動(VF)を発症する症候群である。多くは男性である。

    ▶診断のポイント

    まず,上位肋間での右側胸部誘導心電図も含めブルガダ型心電図(type 1~3,図)を同定することが最初のポイントである。自然発生型および薬物誘発性type 1心電図のみが最終的にブルガダ症候群と診断されるため,自然発生型type 1心電図を呈していない症例ではさらに以下の精査を行う。ブルガダ型心電図は形態が日内・日差変動を呈することから,上位肋間を含め複数回12誘導心電図やHolter心電図を施行し,自然発生型type 1心電図の有無の精査を行う。それでも自然発生型type 1心電図を認めない症例では入院の上,薬物負荷試験(ピルシカイニドを1mg/kg,10分で静注)を行い,薬物誘発性type 1心電図の有無を精査する。自然発生型および薬物誘発性type 1心電図を認めない症例は,非ブルガダ症候群と考え対応する。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    心肺蘇生例・VF既往例,あるいは不整脈原性失神が疑われる症例では,これらの症状をきたす他の原因を否定した上で,積極的な治療を行う。軽度のめまいや原因不明の失神を有する症例,無症候例では若年での突然死などの濃厚なリスク因子を検討し,治療の可否を検討する。

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