【質問者】
三澤将史 昭和大学横浜市北部病院消化器センター講師
【ガイドラインを参考にリスクに応じて1〜5年でサーベイランスを実施する】
2020年8月に,わが国で初めてリスク層別化に基づくサーベイランス間隔を提唱した「大腸内視鏡スクリーニングとサーベイランスガイドライン」が発表されました1)。サーベイランスに関連した3つのCQが掲載され,それぞれに対するステートメントならびに解説が記載されました。本ガイドラインを適用する条件として,baselineとなる大腸内視鏡検査において十分なqualityが担保され,かつ発見されたすべての腫瘍性病変を切除していることを必須としました。
(1) CQ16「初回スクリーニング大腸内視鏡で腺腫(2個以内,advanced adenoma以外)を認め切除した場合のサーベイランスの方法・間隔は?」
CQ16に対するステートメントは「3~5年後の全大腸内視鏡検査(total colonoscopy:TCS)によるサーベイランスを提案する」です。
このCQは,一般的に“低リスク腺腫”と言われるカテゴリーに関するものです。欧米では7~10年後のサーベイランス,またはスクリーニングプログラムに戻すカテゴリーですが,わが国においては,3年以内のサーベイランスが汎用されていることを考慮し,3~5年と幅を持たせた提案となりました。
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