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炎症性腸疾患(IBD)に関連したIL-17の話題

No.5073 (2021年07月17日発行) P.45

飯島克則 (秋田大学消化器内科/神経内科教授)

下平陽介 (秋田大学消化器内科/神経内科)

登録日: 2021-07-19

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 【腸管粘膜において腸炎発症維持に重要なサイトカインとして認識されている】

2000年代に入り新たなヘルパーT細胞のsubsetであるTh17の概念が提唱され,Th1/Th2バランスで説明されてきた炎症性疾患において,新たな役割を果たす集団として注目されている。炎症性腸疾患(IBD)の潰瘍性大腸炎(UC),クローン病(CD)は,IL-23RやSTAT3などTh17細胞の分化に関わる分子が疾患に関わる遺伝子変異として報告されている。IL-17は主にTh17細胞から産生されるが,CD患者の腸管粘膜で発現が亢進し,腸炎の発症維持への関与が推測されている。

ノックアウトマウスを用いた実験より,IL-17Aは腸管上皮のバリア機能に関わることが知られている1)。皮膚の免疫疾患の乾癬に対し,抗IL-17A抗体は有効であるが,CDに対する臨床治験では効果がなかった2)。IL-17は作用する細胞の種類やその環境により異なる作用を持つものと考えられる。

近年,わが国でCDに保険適用となったウステキヌマブはIL-12/23p40を阻害する。IL-12,IL-23は2量体で構成され,p40が共通のsubunitであるが,それぞれ,Th1,Th17の分化機能維持に関与する。IL-17AのIBDにおける役割がさらに解明され,今後の臨床への応用が期待される。

【文献】

1) Lee JS, et al:Immunity. 2015;43(4):727-38.

2) Hueber W, et al:Gut. 2012;61(12):1693-700.

【解説】

飯島克則,下平陽介  秋田大学消化器内科/神経内科 *教授

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