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子宮内膜症に対する手術治療のポイント ─ こんなときは専門医へ [特集:ライフスタイルに合わせた月経困難症・子宮内膜症の診療 2]

No.4820 (2016年09月10日発行) P.41

谷口文紀 (鳥取大学医学部生殖機能医学准教授)

登録日: 2016-09-16

最終更新日: 2016-10-19

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  • 薬物療法により疼痛がコントロールできないときや,術後の自然妊娠が期待できる場合には手術療法を考慮する

    卵巣チョコレート囊胞摘出術による卵巣予備能低下に注意する

    子宮内膜症は,再発・再燃を繰り返すことが多く,長期管理が必要である

    発生頻度は低いが,卵巣チョコレート囊胞の悪性化に注意する

    1. ポイントは早期診断と専門病院との連携による長期管理

    少子晩婚化に伴うライフスタイルの変化により,日本人女性が生涯に経験する月経回数が増加し,月経困難症によるQOLの低下が問題となっている。月経困難症の主な原因として,子宮内膜症が挙げられる。月経痛の背景に子宮内膜症が潜んでいる場合には,疼痛はいわば氷山の一角であることを認識しなければならない。
    月経困難症・子宮内膜症の患者は,手術設備を有する婦人科の専門病院だけでなく,クリニックや,小児科・内科のかかりつけ医で加療されていることが多い。子宮内膜症の治療においては,薬物療法および手術療法のいずれも単独で根治させることは難しく,これらを組み合わせて治療することがポイントとなる。そのため,的確な早期診断と専門病院との連携による長期的な管理が必要となる。手術療法が選択される症例は,卵巣チョコレート囊胞を有する場合がほとんどであり,これまでは保存手術として,あまり躊躇することなく囊胞摘出術が選択されてきた。しかし最近では,囊胞摘出術による卵巣予備能の低下,術後の再発や悪性化などが懸念され,慎重な取り扱いが求められる。
    本稿では,子宮内膜症の管理における重要事項をふまえて,かかりつけ医が手術適応となる子宮内膜症を診断するためのポイントや,手術のために専門施設に紹介すべきタイミングについて解説する。

    残り3,725文字あります

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