【質問者】
永田尚義 東京医科大学内視鏡センター准教授
【読影時間の短縮や病変見逃しの減少につながる】
2000年に初めてNature誌に報告されて以降,非侵襲的に小腸観察ができるカプセル内視鏡は飛躍を遂げてきました。現在,日本で臨床利用されているカプセル内視鏡には小腸用と大腸用がありますが,いずれのタイプでもAI開発が進められています。上下部消化管内視鏡の検査中リアルタイムでのAI利用と異なり,カプセル内視鏡では自動撮像後の読影時AI利用が主となります。自動撮像であるがゆえに,画像の焦点や照度にばらつきがあり,残渣や泡といった読影の妨げになる所見も少なくありません。一方で,肝心の異常所見の撮像枚数が少ないこともあり,読影時の病変見逃しが危惧されます。このような条件下で,1症例あたり4~8万画像の読影に20分~1時間の時間が必要とされ,読影者の負担となっています。読影上の長年の課題を解決するために,「画像認識に強い深層学習を用いた病変自動検出システム」の臨床に沿った有用性検証が近年増えてきています。
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