【質問者】
石井直樹 東京品川病院消化器内科部長
【各種検査を駆使して手術適応となるGISTを確実に診断する】
消化管粘膜下腫瘍の診断のもと紹介される疾患の多くは平滑筋腫・消化管間質腫瘍(gastrointestinal stromal tumor:GIST)・神経鞘腫・異所性膵・消化管神経内分泌腫瘍(gastrointestinal neuroendocrine tumor:GINET)に該当します。
消化管粘膜下腫瘍を有する症例を診察する際には,まず存在部位と大きさに注目します。最も頻度が高いのは胃ですが,1〜1.5cm未満のものには加療適応のない平滑筋腫が多く含まれています。それ以上となると手術適応であるGISTの割合が高くなりますが,神経鞘腫も大きめの状態で診断されることが多いです。一方,食道に関しては1〜1.5cmを超えても平滑筋腫が多く含まれておりGISTは希少です。また,十二指腸や直腸に存在する場合には,平滑筋腫の割合は少なく小型のものであってもGINETを考慮する必要があります。
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