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Barrett食道・腺癌に対する拡大内視鏡分類のポイントは?

No.5111 (2022年04月09日発行) P.48

角 一弥 (昭和大学江東豊洲病院消化器センター)

郷田憲一 (獨協医科大学消化器内視鏡センター センター長/教授)

登録日: 2022-04-12

最終更新日: 2022-04-05

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  • Barrett食道・腺癌に対するBarrett拡大内視鏡分類のポイントについてご教示下さい。
    獨協医科大学・郷田憲一先生にご解説をお願いします。

    【質問者】

    角 一弥 昭和大学江東豊洲病院消化器センター


    【回答】

    【粘膜・血管のパターンを視認可・不可に分け,可なら規則的/不規則に分類し腫瘍を予測】

    欧米諸国において急増しているBarrett食道腺癌は,わが国では依然稀ですが,逆流性食道炎とBarrett食道の増加に伴い漸増傾向にあります。大多数のBarrett食道腺癌は解剖学的に複雑な食道胃接合部に発生し,慢性炎症を背景に発がんするため,内視鏡診断の難易度が高く,的確に早期発見できる内視鏡診断学の構築が望まれています。

    通常の内視鏡観察のみでは検出が困難なBarrett食道“表在”腺癌に有用なテクニックとして,narrow band imaging(NBI)などの画像強調法を併用した拡大内視鏡観察が挙げられます。そこで,わが国の内視鏡医が理解しやすく,簡素で実臨床に即した拡大内視鏡分類作成の機運が高まり,2018年に日本食道学会(The Japan Esophageal Society:JES)からBarrett食道・表在腺癌に対する拡大内視鏡分類(JES-BE分類)が提案されました1)。その後,画像評価に基づく全国多施設検討結果が報告され,全読影者10名の総合診断(粘膜+血管パターン)におけるdysplastic病変に対しての感度・特異度は87%・97%で,観察者間一致率0.77:substantial,観察者内一致率0.83:almost perfectと診断の妥当性・信頼性ともに良好でした。これらすべての診断精度・再現性において,エキスパートと非エキスパートとの間に統計学的に有意な差はなく,ほぼ同等でした2)

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