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「専門医は本来研究医であるべき」【医学部長病院長会議】

No.4823 (2016年10月01日発行) P.13

登録日: 2016-10-05

最終更新日: 2016-10-17

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全国医学部長病院長会議は9月27日の会見で、医師養成の改革に向けた提言をまとめた「医師養成の質保証と改革実現のためのグランドデザイン」を発表した。同会議は2007年と11年にもグランドデザインを発刊しており、今回公表されたものはその改訂版に当たる。

グランドデザイン改訂版では、入学者選抜について、医師偏在対策として「必要な医師数を客観的に算出し、増加している各大学の入学定員を過去のレベルに戻すべき」と提言。

臨床実習前に関しては、増加する留年・休学者に対応するため、教養教育を医学教育の一部として位置づけることやアクティブラーニングの活用を訴えている。臨床実習については、大学病院を基幹病院とし、医学生が地域の協力病院においてコア診療科で4~8週間程度、診療チームの一員として参加できる体制を構築するよう求めている。

卒後教育を巡っては、特に現行の専門医研修について、「本来、専門医はreserch physicianでなければならない」と指摘。研修プログラムに臨床現場に潜む研究課題に対応できる能力開発を加えるべきとし、実地医家として地域医療に携わる医師についても「地域医療の現場にもたくさんの研究課題が存在し、その解決は医師としての重要な役割」としている。

グランドデザインの概要を説明した和泉孝志氏(群馬大、写真)は、「卒後教育は専門医を取得する以外の多様な進路を提示すべき」と指摘。さらに、「現在の専門医研修には、研究マインドの涵養という視点が欠けている」と述べ、卒前・卒後の一体的な教育改革を通じて研究医の養成を急ぐべきとした。

和泉氏は「提言は各委員の意見をそのまま反映したため、会議の総意ではない」と強調したが、医学部定員や臨床実習などの改革の大方針は同会議の従来の主張どおり。研究医への言及は基礎医学を志す医師の減少に対する大学の強い焦りの表れだ。(F)

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