MALTリンパ腫は胃で最も多いリンパ腫であり,約90%の症例でHelicobacter pylori (H. pylori)感染が原因と考えられている。その他は,染色体t(11:18)(q21;q21)の転座によるBIRC3-MALT1遺伝子異常が原因であることが多い。
無症状例が多く,検診等で発見されることが多い。
表層型,潰瘍型,隆起型,決壊型,巨大皺襞型などに分類されているが,国際的に統一されたものはない。胃では粗糙粘膜,発赤,不整形地図状の浅いびらんを呈する表層型が典型である。
組織診断には内視鏡下生検組織を用いることが多いが,ヘマトキシリン・エオジン(HE)染色だけでなく,各種免疫染色も併用して診断する。
上述のBIRC3-MALT1遺伝子異常についても生検組織で調べておく必要がある。H. pylori感染診断も必須である。
治療方針を決定するためには,大腸内視鏡検査,CT検査,骨髄検査等各種検査による病期診断が必要であり,消化管リンパ腫の病期診断にはLugano国際会議分類が用いられる。stageⅠ~Ⅱ1を限局期,stageⅡ2以上を進行期とするが,胃に限局したstageⅠ症例が多い。
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