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CKD患者のピロリ菌除菌での薬用量は? 【通常量で腎機能は悪化しないか?】

No.4825 (2016年10月15日発行) P.61

沖本忠義 (大分大学医学部消化器内科講師)

村上和成 (大分大学医学部消化器内科教授)

登録日: 2016-10-14

最終更新日: 2018-11-27

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  • 慢性腎臓病(CKD)の患者でヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori:H. pylori)陽性の消化性潰瘍を発症した場合,除菌治療に用いる薬剤は通常量を投与してもよいのでしょうか。腎機能が悪化することはありませんか。

    (質問者:和歌山県 Y)



    【回答】

    腎機能低下例では,アモキシシリン水和物による腎障害が危惧されます。現行の一次除菌療法(プロトンポンプ阻害薬+アモキシシリン水和物+クラリスロマイシン)で血清クレアチニンが上昇し,除菌終了後に回復しなかったとする報告もあります1)。日本ヘリコバクター学会の「H. pylori感染の診断と治療のガイドライン 2016改訂版」2)にも,腎機能低下例に対する除菌では,「抗菌薬の用量を減じるとともに,適応については慎重に判断する」とあり,さらに「アモキシシリンの投与も慎重に判断すべきである」と記載されています。

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