高ストレス者面談で対象者の訴えを聞き,心理的負担が高いと判断した産業医は,就業制限として「残業禁止」と人事担当者に伝えます。突然の決定にびっくりした人事担当者ですが,産業医がそう言うからには仕方ないと,その労働者の残業を禁止して,定時の勤務となるような措置をとります。すると,残業を禁止された労働者は,産業医のおかげで残業をしなくてすんでいるとあちこちで吹聴してしまいます。そのため,自分も残業を禁止して欲しいと労働者が産業医面談に殺到してしまいました。もちろん,皆が残業をせず,定時勤務になってしまっては会社が回りません。産業医はどうしたらよいか分からなくなって困ってしまいました。