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特区の医学部新設に反対 [医学部長病院長会議]

No.4694 (2014年04月12日発行) P.11

登録日: 2014-04-12

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全国医学部長病院長会議(会長=別所正美埼玉医大学長)は8日、国家戦略特区諮問会議の検討課題に盛り込まれた医学部新設方針に対し、反対の声明を発表した。声明には日本医学会(高久史麿会長)も賛意を表明している。
声明では、東北地方への医学部新設とは別に特区への新設を認める方針について、病院勤務医の引き抜きによる地域医療の連鎖的崩壊を招くとして「支離滅裂な暴挙」と批判。政府が特区に求める医学部像として例示した「海外で活躍する人材」「世界トップクラスの研究者の養成」の2点についても、研究者の引き抜きによる既設大学の研究・教育体制への影響を挙げ、強い懸念を示している。
別所氏は会見で「なぜ既設大学で対応できないのかという根底の議論がない。とにかく新設ありきで異常性を感じる」と述べ、11日までに文部科学省と厚生労働省に対し声明に基づく抗議を申し入れる意向を明らかにした。
河野陽一相談役(千葉大名誉教授)は、新設先の有力候補に挙がっている成田市と国際医療福祉大を巡る状況について「地元医師会は新設に反対しているが、行政からの相談のないまま話が進んでいる」と違和感を示した。また、「現在の博士課程に進む医師でも一般臨床医に転身する者は多い」として、新設医学部で養成した医師が必ず研究職を続ける見込みはないと指摘した。

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