【質問者】有田龍太郎 東北大学病院総合地域医療教育支援部・ 漢方内科
【肥満合併患者のBMI減少効果が示されているが,生活習慣の是正も不可欠】
防風通聖散は,金元時代の中国の名医である劉完素により創方された処方です。わが国では大正から昭和時代にかけて,森 道伯とその門人の活躍が契機となり普及しました。現在は複数のメーカーから医療用漢方製剤として販売されており,効能・効果として肥満もしくは肥満症を含みます。防風通聖散は皮膚,呼吸器,消化器など様々な疾患に応用できる漢方薬ですが,使用対象は漢方医学的な実証,すなわち体力や胃腸機能が充実した患者が基本となります。腹部所見は臍を中心に隆起する,いわゆる太鼓腹が典型です。この腹部所見はまさしく内臓脂肪型肥満であり,古人がメタボリックシンドロームと類似した着想を持っていた点には驚かされます。
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