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到達目標見直しに向け議論スタート - 人口動態や疾病構造の変化踏まえ20年度から適用 [医師臨床研修制度]

No.4714 (2014年08月30日発行) P.6

登録日: 2014-08-30

最終更新日: 2016-11-17

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【概要】医師臨床研修制度の見直しに向けた議論がスタートした。2020年度からの適用を目指し、人口動態や疾病構造の変化に対応するべく、到達目標や評価のあり方を見直す方針だ。


医師臨床研修制度の到達目標と評価方法のあり方を検討するワーキンググループ(WG)が20日、初会合を開いた。座長には同じテーマを対象とする今年度の厚生労働科学研究で研究班の代表を務める福井次矢氏(聖路加国際病院長)が選出。WGは研究班からの報告や関係団体からのヒアリングなどを踏まえた意見を2016年度中にとりまとめ、親部会の医道審議会医師分科会医師臨床研修部会に報告する。厚労省は、医師臨床研修部会での審議を経て、2020年度から見直しの適用を目指すとしている。
現在の臨床研修制度がスタートした2004年度から到達目標の基本的な内容は変わっていない。医療を取り巻く環境の変化にマッチしていないことが課題とされており、昨年末、医師臨床研修部会が見直しの方向性(別掲)を報告書にまとめた。
この日の会合では研究班の研究内容について報告があり、臨床研修部会の報告書を踏まえ、(1)人口動態や疾病構造の変化、(2)医療提供体制の変化、(3)診療能力の評価、(4)項目の簡素化、(5)評価の標準化、(6)医師養成全体の動向─の観点から、データの収集や分析を行う方針が示された。年末に予定されるWG次回会合では、研究班からの中間報告や、今年3月に研修を修了した後期研修医を対象としたアンケートの結果報告などを受け、議論を本格化させる方針。

●介護保険に関する目標の必要性も指摘
この日の会合ではこのほか、到達目標や評価方法のあり方を巡り委員間で意見交換が行われた。神野正博委員(董仙会理事長)は到達目標に「高齢化の進展に伴う人口動態や疾病構造の変化を反映させることが重要」と指摘。医師には、介護保険や健康に関するコンサルティング能力も求められているとし、そうした視点を到達目標に盛り込む必要性を強調した。
評価のあり方については、田中雄二郎委員(東京医歯大理事)が研修を受ける病院によって評価方法が異なる現状を踏まえ、「コアの部分が統一されていて、各研修施設がオプションで加えるのがいい」と提案。中島豊爾委員(岡山県精神科医療センター理事長)は、検討を進めるにあたり、「どういう医師を養成するのかということを念頭に、臨床研修だけでなく学部教育との連続性が重要」と指摘した。

【記者の眼】到達目標と評価のあり方を見直す議論がスタートしたが、どういう医師を養成すべきかを突き詰めると「医学部教育の改革が必要」との声が多い。さらに遡り、医学部入試のあり方を含め文科省との連携をどう図るかも重要な課題だろう。(T)

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