【質問者】内多訓久 高知赤十字病院第三内科部長
【EUSは,表在食道癌の治療方針を決定するために,一部の病変に対しては行ってみてもよい検査である】
EUSは消化管壁を断層的に可視化できるモダリティであり,上皮下の情報を多く与えてくれます。食道癌の深達度診断は,主に白色光観察,拡大観察で行いますが,病変によってはさらに追加の情報を得るためにEUSを行うことがあります。
EUSは主に,細径プローブとEUS専用機(ラジアル,コンベックス,リニア)に大別されます。深達度診断には主に細径プローブを使用します。食道内が空気で満たされていると評価できないため,食道内腔に超音波電動物質を貯留させて検査を行う必要があります。抜気水,ゼリー,GEL充填法,ソフトバルーン法が報告されています。食道に液体を貯留させると誤嚥してしまう危険があるため,慣れた方法により短時間で検査を行うのがよいと考えます。
20Mzの細径プローブを用いて観察すると,食道壁の層構造は通常9層に分離されます1)。3/9層の高エコー層(粘膜筋板を反映)と,4/9層の低エコー層(粘膜下層を反映),5/9層の高エコー層(粘膜下層深層をほぼ反映)が主に用いられ,以下のように診断します。
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