日本医師会、日本医学会、全国医学部長病院長会議は12月24日、合同会見を開き、千葉県成田市が国際医療福祉大と連携して進めている国家戦略特区での医学部新設構想について、揃って反対の見解を表明した。
横倉義武日医会長は、2008年度以降の医学部入学定員増や人口減少などの社会的変化を踏まえ、「2025年には人口1000人当たりの医師数が現在の約1.4倍に達し、絶対数確保には一定のメドが立っている」と指摘。現行の医学教育の枠内で、今後の医療環境の変化や勤務医の負担軽減に対応できるとした。
甲能直幸医学部長病院長会議副会長は、構想で「国際的な医療人材の育成」を打ち出しているにもかかわらず、海外研修を必修とする「特別国際枠」が定員140人のうち20人とされている点について、「意義が理解できない」と問題視。高久史麿日本医学会会長も、「安易な医師の増員によって質の悪い医師が増えれば、国民にとって幸せとは言えない」として、強い懸念を示した。