厚生労働省の社会保障審議会福祉部会は12日、社会福祉法人制度改革の報告書をとりまとめた。いわゆる内部留保を地域福祉の充実などに再投下する仕組みづくりのほか、運営の透明化、内部統制の強化を盛り込んだ。これを踏まえ厚労省は、社会福祉法改正案を3月にも国会に提出する方針。
改革案では、「内部留保」から事業継続に必要な運転資金等を除いた資産額に応じて、社会福祉施設の新設・増設や新たなサービスの展開、生活困窮者向けの無料・低額サービスの提供などへの投資を求めている。
運営の透明性確保については、役員報酬基準などを情報開示の対象に加える。収益10億円以上あるいは負債20億円以上の法人には外部監査を義務化する。
内部統制の強化としては、理事長の権限と義務を明確化する一方で、理事会を法人の業務執行に関する意思決定機関に位置づけ、理事長・理事への牽制機能を持たせる。現行制度で任意設置となっている評議員会は必置とし、役員の報酬額や選任・解任に関する議決権を付与する。