医療分野の研究開発の中心的な役割を担う「日本医療研究開発機構(AMED)」は13日、都内で「3つのLIFE」をテーマにトークイベントを開催した。
末松誠理事長(写真中央)は、AMEDの理念である「3つのLIFE」の意味を「これからの創薬や医療技術の開発は『生命』だけではなく、患者1人1人の『生活』や『人生』も見据えながら研究を進めることが重要になる」と説明。
AMEDのプロジェクトの1つとして、難病の診断確定と病態解明に施設横断的に取り組む「IRUD(未診断疾患イニシアチブ)」を紹介した。
●高橋氏「医療が病院に閉じこもっている」
トークイベントには、iPS細胞から作成した網膜細胞を移植する世界初の臨床研究を進める、理化学研究所の高橋政代氏(写真左から2人目)も登壇。「3つのLIFE」について「患者さんの生活や人生をどうやって幸せにするかをずっと考えており、その1つが再生医療であり、iPS細胞」と述べた。
医療と社会のあり方にも触れ、「医療が病院に閉じこもっている。もっと開放しないといけない」と指摘。「医師は福祉に関心を持ち、患者さんは自分の病気について調べ、福祉側は病院にアプローチするといった努力を皆がすべき」と訴えた。