【概要】日本専門医機構は6月27日に理事会と社員総会を開き、新しい理事を決定した。池田康夫理事長、有賀徹副理事長、小西郁生副理事長は辞任することになった。新理事長、副理事長は7月4日に開催される理事会で決まる予定。
2年の任期満了に伴う理事改選の議論は、機構の役員候補者選考委員会(委員長=中川俊男日医副会長)で6月13日、21日に進められた。選考委員会に先立ち決定した役員選任規定では、理事会の枠組みについて、日本医学会連合・日医・全国医学部長病院長会議・四病協から各2名、内科系学会・外科系学会から各3名、専門医育成関係団体から各1名、学識経験者7~9名となったことから、各団体から推薦された25名について選考委員会が審議。その結果、日本医学会連合推薦の1名について、新しい執行体制の方向性に合わないとして否決し、理事候補者24名を27日の理事会、社員総会に提案した。
これに対し理事会、社員総会では、「各学会を束ねる日本医学会連合の推薦理事は2名必要」との意見が多数を占めたことから、再度、日本医学会連合から1名推薦を受けることとなった。これにより新理事は25名体制となる。
●池田理事長は辞退、「プラットフォームはできた」
社員総会終了後に会見した池田理事長(写真)は、自ら次期理事の推薦を辞退したことを明らかにし、その理由について、日本専門医機構の前身である日本専門医制評価・認定機構の理事長も務めていたことから、「この数年間で十分に議論し、しっかりとしたプラットフォームはできた。次は実行に移すフェーズになる」と説明。その上で、「これはグローバルスタンダードの仕組みになっていく。地域医療の問題や組織の透明性など(各方面から)言われてきた問題を含め、新しい執行体制でプラットフォームを実施に移してほしい」と期待を示した。
新理事については、医師以外の4名が選ばれたことに理事会、社員総会で、専門医制度の理念である“プロフェッショナルオートノミー”と違うのではないかとの意見が出たことを紹介し、「新体制では、地域医療や患者の立場で議論ができる人の参加を促さないといけないので、そういう方を重視したということ」と説明。ただ、再任が4名に留まったことについては、「もう少し継続性があってもよかったのでは」と本音ものぞかせた。
池田理事長は27日付で辞任。7月4日の理事会で互選により新理事長、副理事長が決定し、新たな執行体制がスタートする。