【Q】
2013年4月に母体血を用いた新しい出生前検査である,非侵襲的出生前遺伝学的検査(non-invasive prenatal genetic testing:NIPT)が臨床研究という形で日本に導入されました。臨床研究により明らかにされた検査の実態や問題点,また今後の展望について,国立成育医療研究センター・左合治彦先生のご教示をお願いします。【A】
NIPTとは,母体血漿中のcell-free DNA(cfDNA)には胎児由来成分が存在することから,次世代シークエンサーを用いてcfDNAを網羅的に解析して行う胎児の遺伝学的検査です。母体血を用いて胎児が21トリソミー,18トリソミー,13トリソミーの3つの染色体疾患であるかどうか判定する検査法で,検査感度と特異度は高いものの,あくまで非確定的検査です。