【Q】
心房細動患者の血圧測定(自動血圧計での家庭血圧測定)において,正確な測定が可能なのかどうか疑問に思っています。家庭血圧測定では,「2回の平均を記録する。1回測定の場合は,その値を測定値とする」という原則がありますが,不整脈患者も同様にこの原則に従って血圧測定を行ってよいのでしょうか。 (愛知県 N)【A】
今日,心房細動患者の血圧測定に関して確立した評価法はありません。これは心房細動に限らず,不整脈の頻発している患者に対して共通して言えることです。特に聴診法では,不整脈発生時に音の質と強さに連続性がなくなります。これが,コロトコフ音の第1相に近いところで生じたり,第5相に近いところで生じたりすると,収縮期血圧,拡張期血圧がともに,誤ったレベルで,高くも低くもとらえられるという現象が生じます。