【Q】
小児頭大に腫大する子宮腺筋症を認める未経産の39歳,女性。月経痛がきわめて強く,前医で投与された低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(low dose estrogen progestin:LEP)の効果も不十分。現在,挙児希望はないが,将来的には可能性を残しておきたいと述べています。ほかのホルモン製剤による治療は可能でしょうか。可能な場合,どれくらいの期間継続できますか。無効の場合はほかにどのような治療法があるでしょうか。京都府立医科大学・北脇 城先生のご回答をお願いします。【A】
子宮腺筋症には子宮の全周性に病巣が存在するタイプと局所性に腫瘤を形成するタイプとがあり,子宮内膜症や子宮筋腫を合併する例も多くあります。症状も,過多月経やそれに伴う貧血をきたす例もあり,これらを勘案して治療方針を決定します。約20%の子宮腺筋症は未妊婦に発生することから,不妊をきたす例も相当数存在しており,挙児希望例の治療は苦慮するところです。