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同時化学放射線療法

No.4717 (2014年09月20日発行) P.56

重藤龍比古 (弘前大学産科婦人科教授)

水沼英樹 (弘前大学産科婦人科教授)

登録日: 2014-09-20

最終更新日: 2016-10-26

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わが国の子宮頸癌の標準的な治療法の選択として,Ⅱa期までは手術,Ⅱb期以上では放射線療法が用いられてきた。1990年代に入って,局所進行頸癌の治療成績を向上させることを目的として,放射線療法と化学療法を同時に併用する同時化学放射線療法(CCRT)が行われるようになってきた。その主な目的は照射野内の腫瘍に対する増感効果による局所制御率の向上で,放射線治療単独では治癒が困難な進行がんに対する予後の改善をめざすものである。近年では外陰癌の治療にも適応されている。欧米の治療成績ではあるが,子宮頸癌に対する照射単独群との比較で有効性が示されており,早期がんでその傾向が強い(文献1)。
抗癌剤は,放射線との相乗効果が期待されるシスプラチンやネダプラチンが選択される。その機序は,薬剤結合による放射線療法でのDNA障害の増強,分割照射後の腫瘍細胞の再増殖抑制,放射線療法による障害からの回復の阻止,化学療法による腫瘍細胞周期の特異的障害,高感受性期への細胞周期同調,早期に腫瘍を根絶することによる抵抗性出現の減少,などが考えられている。デメリットとしては,白血球減少を含めた急性期有害事象が多くなるが,晩期有害事象の増強の有無については現時点では一定の見解はない。
進行子宮頸癌では,CCRT後の補助化学療法で予後改善の可能性が示されている(文献2)が,CCRT後の骨髄や腎機能が低下した状態で,安全かつ十分な量の抗癌剤を投与できるかが課題となっている。

【文献】


1) Chemoradiotherapy for Cervical Cancer Meta-Analysis Collaboration:J Clin Oncol. 2008;26(35): 5802-12.
2) Zhang MQ, et al:Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2010;78(3):821-7.

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