限局期から局所進行期の子宮頸癌の根治的放射線治療は,外照射+腔内照射±シスプラチンを含む化学療法である。この枠組みは以前から変化はないが,最近10年間で診療ガイドラインに放射線治療の位置づけが明確に記載されるようになり,放射線治療技術も発展した。『子宮頸癌治療ガイドライン』(文献1)では,ⅠB期からⅡB期の子宮頸癌の主治療として手術と放射線治療が併記され,海外のガイドラインとの差が少なくなった。Ⅲ期,ⅣA期では外照射+高線量率腔内照射+シスプラチン40
mg/m2の治療が以前から広く行われており,これを前向きに評価したJGOG1066試験(文献2,3)の結果が公表された。同治療は日本人に耐容可能で,より高線量で治療を行う欧米と比較しても遜色ない結果であったことより,局所進行子宮頸癌の日本での標準的治療スケジュールとみなされつつある。
他領域で一般的になりつつある強度変調放射線治療は,術後照射を主体に用いられはじめ,海外ではその安全性,有効性を評価する臨床試験も行われている。国内ではリンパ節領域描出のためのコンセンサスガイドライン(文献4)が出版された。腔内照射では,アプリケーター挿入後,CTまたはMRIを撮像し3次元治療計画を行い,さらに必要に応じて組織内照射を行う施設も増加しており,さらなる治療成績の向上と有害事象の軽減が期待される。
1) 日本婦人科腫瘍学会, 編:子宮頸癌治療ガイドライン2011年版. 金原出版, 2011.
2) Toita T, et al:Int J Gynecol Cancer. 2012;22(8):1420-6.
3) Toita T, et al:Gynecol Oncol. 2012;126(2):211-6.
4) Toita T, et al:Jpn J Clin Oncol. 2010;40(5):456-63.