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【他科への手紙】消化管内科→内科・外科一般

No.4834 (2016年12月17日発行) P.51

坂東英明 (国立がん研究センター東病院消化管内科)

登録日: 2016-12-16

最終更新日: 2016-12-08

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  • 切除不能・再発大腸癌に対する化学療法は確実に進歩しています。最新の臨床試験データでは、生存期間の中央値が30カ月を超えるようになっており、今後さらなる進歩が期待できる分野です。

    大腸癌化学療法において、KRAS/NRASといったRAS遺伝子に変異がある患者は、分子標的薬である抗EGFR抗体薬の効果が期待できません。そのため、可能な限り治療開始前にRAS遺伝子変異検査を行い、その結果に基づいて使用する薬剤を選択します。

    実際の治療では、オキサリプラチンベースの化学療法であるFOLFOX(フルオロウラシル+オキサリプラチン)、XELOX(カペシタビン+オキサリプラチン)、またはイリノテカンベースの化学療法であるFOLFIRI(フルオロウラシル+イリノテカン)を殺細胞性抗癌剤として選択します。さらに、RAS遺伝子野生型の場合は抗VEGF抗体薬(ベバシズマブ)、または抗EGFR抗体薬(セツキシマブ、パニツムマブ)のどちらかの分子標的薬を併用します。一方、RAS遺伝子に変異を認める場合は抗EGFR抗体薬の効果が期待できないため、抗VEGF抗体薬のベバシズマブを併用する治療が一次治療として選択されます。

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