今年6月からスタートする第3期がん対策推進基本計画では、AYA世代(思春期、若年成人)、高齢期など、ライフステージに応じたがん対策が議論されている。高齢者は臓器機能の低下、併存症のある人が多いが、これまで高齢がん患者の治療選択に役立つエビデンスを確立するための研究は乏しかった。
日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)は、昨年、高齢がん患者を対象とする臨床研究を行う際の指針『高齢者研究ポリシー2016』を発表した。
高齢者研究ポリシーでは、65歳以上を高齢者、65歳未満を非高齢者と定義。その上で、高齢者の患者集団を「fit」「vulnerable」「frail」の3つに分け、元気な非高齢者と同じ治療はできないが何らかの治療を受けることはできるvulnerableを高齢者研究の主な対象とした(図)。「vulnerableな高齢者集団に対してのエビデンスは少なく、この集団に絞った治療開発が必要」と明記している。
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