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【他科への手紙】消化器内科→一般内科

No.4852 (2017年04月22日発行) P.51

岩館峰雄 (佐野病院 消化器センター)

登録日: 2017-04-21

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  • 皆さんは日常臨床で、どのようなときに便潜血検査を施行されているでしょうか。便秘や血便など大腸癌を疑う症状を認めた場合、最初に大腸内視鏡検査を施行するのは患者の負担が大きいため、まず便潜血検査を行い、陽性であれば大腸内視鏡検査を勧め、陰性であれば経過観察とされている先生もいらっしゃると思います。

    もちろん、便潜血検査は簡便で患者の負担も少ないのですが、いったいどの程度の割合で大腸癌を見つけることができるのでしょうか。大腸癌検診の便潜血検査では進行癌の約80%、早期癌の約50%程度が検出可能とされています。これは、癌からの出血が常に起こっている訳ではなく、間欠的に発生していることによります。患者に進行大腸癌があっても、20%は便潜血検査が陰性となってしまうので、便潜血検査が陰性でも大腸癌を否定することはできないのです。患者に大腸癌を疑う症状があった場合は、便潜血検査ではなく大腸内視鏡検査を受けることをぜひ勧めて下さい。

    大腸癌の症状として特有のものはありませんが、癌から出血が起こると血便や貧血を、癌による通過障害が起こると腹痛や便秘、下痢などの症状を認めます。このときに大切なことは、患者に症状の開始時期を確認することです。特に、最近になって症状が出現または増悪している場合は、癌の進行による症状悪化が示唆されるため、早急に大腸内視鏡検査を受けてもらう必要があります。

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