厚生労働省は25日、医道審議会の臨床研修部会(桐野高明部会長)で、初期臨床研修中に基礎研究ができる専門コースの構想を提示した。同日の会合では、大学所属の委員を中心に歓迎の声が上がった一方で、反対する意見も出た。厚労省は3月末までに開く予定の次回会合で対応を決定する。了承されれば2020年度からの導入を目指す。
厚労省が2017年度の臨床研修修了者に実施したアンケートでは、医学博士号の取得希望者は43.6%と、専門医の取得希望者(92.3%)に比べて低い。また、文部科学省によると、大学院進学者における基礎系(MD)の割合は9%前後で伸び悩んでいる。基礎医学分野の論文数についても、中国を筆頭にインド、ブラジルなどが急激な伸びをみせる中、日本は減少しており、国際競争力の低下が懸念されている。
専門コースは、学生時代から基礎医学に意欲があり、基礎系の大学院への入学を希望する者を対象とし、臨床と研究の両立を後押しするもの。必修科目の研修を受けて到達目標を満たすことを条件に、選択研修として、病理学や法医学、生化学など基礎医学系の教室で指導を受けられるようにする。コースの定員については、1大学につき原則1名の枠を一般のマッチング枠・募集定員とは別に設置する。