消化器内科の先生方には胃MALTリンパ腫・マントル細胞リンパ腫など消化管悪性リンパ腫の診断や治療前後の評価、移植後のGVHDやサイトメガロウイルス腸炎などの合併症の診断など大変お世話になっております。また、消化器内科を受診された血液疾患の患者さんの紹介をしてくださり、誠にありがとうございます。本日は血液内科・消化器内科の双方で治療を行うことがある「胃MALTリンパ腫」に関してご相談したく存じます。
MALTリンパ腫は慢性炎症を背景に粘膜関連リンパ組織のリンパ球が腫瘍化する「低悪性度リンパ腫」です。低悪性度の中でも増大速度は最も遅く、年単位でゆっくりと増える疾患です。慢性炎症を背景に気管や甲状腺、唾液腺、涙腺など様々な場所で発生いたしますが、その中でもHelicobacter pylori(H. pylori)感染を背景に発生する胃MALTリンパ腫は頻度も高い疾患です。治療法もH. pylori関連のものはH. pyloriの除菌が第一選択であり、経過観察も含めて消化器内科で治療をされていることも多いかと存じます。ただ、一つ気になることはH. pylori除菌抵抗性の基準に関してです。
残り710文字あります
会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する