全国医学部長病院長会議は9日の会見で、2017年度の医学部80校における臨床実習時間数が平均2174.1時間(60.3週)だったとする調査結果を公表した。
臨床実習を巡っては、米国の「外国医学部卒業生のための教育委員会」(ECFMG)が「2023年以降の米国の医師国家試験の受験資格は国際基準の認証・評価を受けた医学部の卒業生にのみ与える」と通告したことに端を発する「2023年問題」を受け、日本の医学部でも国際基準を満たす内容へ見直す動きが進んでいる。
調査によると、臨床実習の総時間数の内訳は、1500時間以下が5校、1500時間以上1750時間未満が12校、1750時間以上2000時間未満が16校、2000時間以上2250時間未満が18校、2250時間以上2500時間未満が9校、2500時間以上2750時間未満が6校、2750時間以上3000時間未満が14校だった。地域の病院・診療所などで行う学外臨床実習の期間は平均9.4週だった。ただし、5週未満の医学部が13校ある一方で40週超の医学部もあり、バラツキが大きかった。
調査を統括した奈良信雄氏(順天堂大)は「ECFMGの通告の影響もあり、実習時間数は着実に増えてきている」と評価し、診療参加型の実習をさらに進めるべきとの考えを示した。