編集: | 岡田隆夫(順天堂大学教授) |
---|---|
判型: | 菊判 |
頁数: | 236頁 |
装丁: | 2色刷 |
発行日: | 2006年10月19日 |
ISBN: | 4-7849-1520-6 |
版数: | 第1版 |
付録: | - |
病態生理を軸として、疾患をより良く理解するためのシリーズです。「医学教育モデル・コアカリキュラム」に示された疾患と症候について、初学者向けにやさしく解説しました。いかにして正常機能の破綻が起こり、どのような変化(症候,検査)が現れるかを理論的に学んでいきます。疾患の成り立ちをしっかり理解して、診断学・治療学の基礎を身に付けてください。
診療科: | 内科 | 循環器内科 |
---|
シリーズ: | よくわかる病態生理 シリーズ |
---|
第1章 心不全
心拍出量と体循環
チアノーゼ
循環ショック
心不全の定義と重症度分類
心不全の原因疾患と病態生理
左心不全と右心不全
第2章 狭心症・心筋梗塞
冠循環の特徴
胸痛
安定狭心症
不安定狭心症
急性心筋梗塞
第3章 不整脈
心筋細胞の電気現象と興奮の発生
興奮の伝導と心電図の関係
自律神経による心機能の調節
動悸
頻脈性不整脈(期外収縮、WPW症候群、発作性頻拍)
徐脈性不整脈(房室ブロック、洞不全症候群)
致死的不整脈
第4章 弁膜症
弁の構造
心周期に伴う血行動態
僧帽弁の異常
大動脈弁の異常
三尖弁・肺動脈弁の異常
人工弁
感染性心内膜炎
第5章 心筋・心膜疾患
肥大型心筋症
拡張型心筋症
心筋炎
心膜疾患
第6章 先天性心疾患
胎児循環と生後の変化
心房中隔欠損症
心室中隔欠損症
動脈管開存症
Fallot四徴症
第7章 動脈疾患
血管壁の構造
動脈硬化
大動脈瘤
大動脈解離、解離性大動脈瘤
閉塞性動脈硬化症、Buerger病
急性動脈閉塞
大動脈炎症候群
第8章 静脈・リンパ管疾患
静脈の構造と機能
深部静脈血栓症、下肢静脈瘤
リンパ管系の構造と機能
浮腫
リンパ浮腫
第9章 高血圧症
血圧調節の機序
本態性高血圧症
二次性高血圧症
編集にあたって
本書は『よくわかる病態生理』シリーズ第2巻、「循環器疾患」である。循環器疾患は、ポンプと配管の異常というきわめて重要ではあるが、比較的単純で病態生理学的アプローチに最も適した課題であると言えよう。各項目をその分野で一流であり、かつ第一線で活躍しておられる先生方に執筆をお願いした。そのお陰で、編者は印刷ミスや用語・表記の統一を図る程度で済み、大変楽をさせていただいた。通読してみると、読者にもおわかりいただけると思うが、理解しやすくまとまっており、かつ情報量としても申し分なく、自学自習に適したきわめて良質な参考書に仕上がったと自賛している。
暗記したことは忘れてしまうとゼロになる。しかし、病態を理解していれば、症状や治療法を忘れてしまっても、それをある程度導き出すことが可能である。本書を循環器疾患の病態理解のために是非活用していただきたい。
コアカリ対応という本書の性質上、取り上げた疾患は代表的なものに限られ、内科教科書のようにすべての疾患を網羅しているわけではない。しかし、本書で解説されている病態生理を理解すれば、その原理は他の循環器疾患にも容易に応用可能である。循環器疾患の勉強をする際には、最初に本書を通読することをお勧めしたい。そして、その後も是非手元に置いて随時活用していただきたい。
最後になりましたが、編集を担当して下さった日本医事新報社編集部の方々には大変お世話になりました。著者を代表して心から御礼申し上げます。
2006年夏
岡田隆夫