株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

腹腔鏡下子宮体癌手術について

No.4932 (2018年11月03日発行) P.52

西田正和 (大分大学産科婦人科講師)

楢原久司 (大分大学産科婦人科教授)

登録日: 2018-11-04

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

【進行子宮体癌に対する傍大動脈リンパ節郭清が先進医療に指定。腹腔鏡下手術が可能に】

子宮体癌に対する腹腔鏡下手術はJandaら1)の行った大規模試験で,治療成績および合併症の発症に有意差がなかったこと,出血量や入院日数は腹腔鏡下手術のほうがまさっていたことより,世界中で急速に普及することになった。

わが国においては,子宮体癌に対する腹腔鏡下手術は,2008年7月に先進医療に指定され,12年4月より保険適用となった(施設基準あり)。腹腔鏡下手術が適応となる子宮体癌はⅠa期のG1またはG2の類内膜腺癌に限り,それ以上進行しているもの,また,傍大動脈リンパ節郭清が必要となる症例では適応とならず,開腹手術を行わなければならない。

この制約のため,Ⅰb期の子宮体癌に対しては開腹手術が余儀なくされた。しかし,17年7月に進行子宮体癌に対する傍大動脈リンパ節郭清が先進医療に指定され,これまで適応とならなかった進行子宮体癌に対し,腹腔鏡下手術が可能となった。今後,手術の有用性が確立されれば,保険適用となっていくと思われる。

さらに,18年度よりロボット支援下の子宮体癌手術が保険収載された。これにより,欧米と同様にロボット支援下の手術が広がっていくと考えられる。

【文献】

1) Janda M, et al:Lancet Oncol. 2010;11(8):772-80.

【解説】

西田正和*1,楢原久司*2  大分大学産科婦人科 *1講師 *2教授

関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

もっと見る

関連求人情報

関連物件情報

もっと見る

page top