小児科医の中でも新生児を専門としている者として、産科の先生方の日頃の過重労働を目の当たりにしており、国家基盤である周産期医療の行く末を案じております。産科医不足が一朝一夕には改善しない状況下では、麻酔科医や小児科医が常駐している各地の周産期母子医療センターに産科医が集まり、日常業務のストレスをできるだけ軽減させることが重要であり、さらには周産期母子医療センターを教育病院として活用し、周産期医療に携わるスタッフの育成を急ぐことが最善の策と思われます。
一方で小児科医はここ数年微増傾向にあるようですが、新生児専門医は全国にまだ500名ほどしかおらず、各地のNICUを維持するのが精一杯の状況です。したがって、一般の施設で出生した新生児の評価は、これまで通り産科の先生や一般小児科の先生にお任せするしかありません。
出生直後から呼吸管理が必要な早産・低出生体重児や、出生前診断であらかじめ胎児疾患が明らかになっている児は、出生後、直ちにNICUに搬送される場合が多いので、初めから新生児科医の管理にゆだねられます。
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