【質問者】
小野健太郎 聖路加国際病院女性総合診療部
【医師の働き方改革の導入により現在の研修医教育のやり方,モチベーションでは医師養成・医療提供のいずれも立ち行かなくなるためドラスティックな考え方の変更が必要である】
医師の働き方改革が他の職種から遅れて2024年に開始されることはご存知のことでしょう。医師業界の中では「できるわけがない」「そんなことをしたら医療崩壊だ」という声が多く聞こえてきます。しかし一方で,医師の過労死認定が発生していることも事実です。労働時間規制は避けることのできない問題であり,地域医療構想,医師偏在対策と合わせて医療の三位一体改革として大きな変革が求められています。目的は「医師の就労環境の適正化を図り,安定的な医療提供を継続すること」であり,今までと同様もしくはより優秀な医師を養成していくことが必要です。
この労働時間規制が多くの医師の卒後教育に大きな影響を与えることは間違いありません。現在の状況としては,初期研修医はかなり守られた勤務環境下にあるため,実際には専攻医研修以降に影響が色濃く出ると考えられます。専攻医は,ほとんどの研修医療機関で一スタッフとして,また医療提供体制の担い手として勤務しており,研修内容はon-the-job trainingが中心です。ここに改善の余地があります。
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