ノバルティスファーマのARB「バルサルタン」(一般名=ディオバン)を巡る論文不正問題で、千葉大は15日、同大における臨床試験「VART試験」に関し、学内に設置した調査委員会による最終報告書を公表した。
報告書では、薬事法違反の疑いで、東京地検に逮捕された元ノバ社社員の白橋伸雄容疑者が、「データの提供を受けて中間、最終段階の統計解析を行った」と結論。研究結果の科学的信頼性の低さを指摘した上で、改めて論文の撤回を求めている。
一方、調査の過程において元同大院教授で責任著者の小室一成東大院教授をはじめとする3人が、「事情聴取に対して4月に至るまで虚偽の説明をし続け、調査を混乱させ長期化させた」ことが明らかになったとし、「責任は極めて重い」と強調。小室氏について千葉大は今後、現在の所属機関である東大に「しかるべき処分の検討」を求める方針だ。