【Q】
月経随伴性気胸(あるいは子宮内膜症性気胸)の確定診断および手術適応と術式について,いくつかのcontroversyがありますが,現時点でのコンセンサスとなるのはどのあたりか,日産厚生会玉川病院・栗原正利先生のご教示をお願いします。【A】
月経随伴性気胸は子宮内膜症の増加とともに増加していると推定されます。しかしながら,依然として稀少疾患であり,明確なガイドラインはありません。月経随伴性気胸は胸郭子宮内膜症症候群,胸部子宮内膜症関連気胸など,新しい知見とともに定義も名称も変遷しています。現在では月経時以外でも胸部に転移した子宮内膜組織の影響により気胸を起こすことが知られており,胸部子宮内膜症関連気胸と呼ぶのが適しています。月経時期では判定できないので,私は局所麻酔下胸腔鏡検査を行って子宮内膜組織を確定診断しています。