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卵巣癌治療における最近の進歩【化学療法に分子標的治療薬を加えた治療法の開発が試みられている】

No.4858 (2017年06月03日発行) P.58

原田 省 (鳥取大学医学部生殖機能医学分野教授)

板持広明 (岩手医科大学医学部産婦人科学講座教授)

登録日: 2017-05-31

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  • 卵巣癌治療における最近の進歩について,岩手医科大学・板持広明先生にご教示をお願いします。

    【質問者】

    原田 省 鳥取大学医学部生殖機能医学分野教授



    【回答】

    近年増加傾向にある卵巣癌(上皮性卵巣癌)は,進行例で発見されることが多くその予後は不良です。本疾患に対する初回の治療法は,手術療法と化学療法による集学的治療であり,進行例においては肉眼的残存腫瘍がない状態をめざした最大限の腫瘍減量術が必要です。

    化学療法としては2004年からTC療法(パクリタキセル175~180mg/m2+カルボプラチン,AUC 5~6,3週ごと)が標準療法となりました。一方,婦人科悪性腫瘍研究機構(Japanese Gynecologic Oncology Group:JGOG)が実施した第3相試験(JGOG3016)において,dose-dense TC療法(パクリタキセル80mg/m2毎週+カルボプラチン,AUC 6,3週ごと)は,TC療法に比して貧血を惹起しやすいものの,全生存期間(overall survival:OS)を有意に延長しました。したがって,dose-dense TC療法はTC療法とともに初回化学療法として推奨されています。

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