発展途上国に蔓延する感染症を制圧するための製品開発を目指し、2013年に発足した官民連携による「グローバルヘルス技術振興基金」が5年目を迎えるに当たり1日に記者会見を開き、今年の年末にもアステラス製薬が参画する住血吸虫症の治療薬の研究が第3相試験に進む予定であることを明らかにした。
同基金の対象疾患はHIV/AIDS、マラリア、結核、顧みられない熱帯病(用語解説)で、これらの治療薬、ワクチン、診断薬の開発を目指す。第1期(13〜17年度)の資金は約100億円で、これまでに61件の研究に投資。現在は39件の研究が進行中で、6件は臨床試験が進み、2件が第2相試験を終えた。
会見でBTスリングスビー同基金CEOは、第2期(18〜22年度)の事業に対して約200億円の資金を確保したことを明らかにした上で、「次の5年間は製品開発を実現し、いかに患者の元に届けるかが重要になる」と述べ、製品開発後の体制整備を進める考えを示した。約200億円の拠出内訳は、日本政府(外務省、厚生労働省)が約100億円、財団(ビル&メリンダ・ゲイツ財団、ウェルカム・トラスト)が約53億円、製薬企業(15社)が46億円。