株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

がんの腹腔鏡手術・ロボット手術の有用性、安全性は?(渡邊昌彦 北里大学医学部外科主任教授)【この人に聞きたい】

No.4874 (2017年09月23日発行) P.8

渡邊昌彦 (北里大学医学部外科主任教授)

登録日: 2017-09-22

最終更新日: 2017-10-26

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • next
  • 目指すは究極の低侵襲治療
    優位性が証明されたがん種から
    ロボット支援手術が標準治療になる時代に

    〔略歴〕1953年東京都生まれ。79年慶大卒。米国ワシントン州立大留学、慶大講師などを経て、2003年より現職。日本内視鏡外科学会理事長、第55回日本癌治療学会学術集会会長を務める。

    群馬大病院などで肝がんや膵がんの腹腔鏡下手術による相次ぐ死亡が発覚して3年。がん治療に内視鏡手術はどこまで有用、安全なのか。1992年に本邦初の結腸がんの腹腔鏡下手術を実施し、10月20日から開催される第55回日本癌治療学会学術集会会長を務める北里大外科主任教授の渡邊昌彦氏に聞いた。

    患者の回復ぶりを見て内視鏡手術の優位性を実感

    ─腹腔鏡下手術のメリットとは。

    手術の痛みが少なく術後の回復が早い、手術創が小さい、出血量が少ないなど短期的な予後が良好なことです。がん治療の場合、長期予後が開腹手術と変わらなければ、腹腔鏡のほうが優位性は高いことになります。早期胃がん、結腸がんの手術は、腹腔鏡下手術が標準治療です。

    私が内視鏡手術の存在を知ったのは米国留学中の1991年。帰国後の92年、慶大で、胆のう摘出術に内視鏡手術を導入していた同僚の大上正裕医師と一緒に日本初の腹腔鏡下手術を行いました。

    初めてだったために開腹手術の倍以上時間がかかり、こんな手術やるものじゃないと思いましたが、翌日、その患者さんが開腹手術後とは比べものにならないくらい元気に歩いているのを見て考えが一変しました。内視鏡手術で外科手術が大きく変わると確信した瞬間でした。

    残り1,863文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

  • next
  • 関連記事・論文

    関連書籍

    もっと見る

    関連求人情報

    公立小浜温泉病院

    勤務形態: 常勤
    募集科目: 消化器内科 2名、呼吸器内科・循環器内科・腎臓内科(泌尿器科)・消化器外科 各1名
    勤務地: 長崎県雲仙市

    公立小浜温泉病院は、国より移譲を受けて、雲仙市と南島原市で組織する雲仙・南島原保健組合(一部事務組合)が開設する公設民営病院です。
    現在、指定管理者制度により医療法人社団 苑田会様へ病院の管理運営を行っていただいております。
    2020年3月に新築移転し、2021年4月に病院名を公立新小浜病院から「公立小浜温泉病院」に変更しました。
    6階建で波穏やかな橘湾の眺望を望むデイルームを配置し、夕日が橘湾に沈む様子はすばらしいロケーションとなっております。

    当病院は島原半島の二次救急医療中核病院として地域医療を支える充実した病院を目指し、BCR等手術室の整備を行いました。医療から介護までの医療設備等環境は整いました。
    2022年4月1日より脳神経外科及び一般外科医の先生に常勤医師として勤務していただくことになりました。消化器内科医、呼吸器内科医、循環器内科医及び外科部門で消化器外科医、整形外科医の先生に常勤医師として勤務していただき地域に信頼される病院を目指し歩んでいただける先生をお待ちしております。
    又、地域から強い要望がありました透析業務を2020年4月から開始いたしました。透析数25床の能力を有しています。15床から開始いたしましたが、近隣から増床の要望がありお応えしたいと考えますが、そのためには腎臓内科(泌尿器科)医の先生の勤務が必要不可欠です。お待ちいたしております。

    ●人口(島原半島二次医療圏の雲仙市、南島原市、島原市):126,764人(令和2年国勢調査)
    今後はさらに、少子高齢化に対応した訪問看護、訪問介護、訪問診療体制が求められています。又、地域の特色を生かした温泉療法(古くから湯治場として有名で、泉質は塩泉で温泉熱量は日本一)を取り入れてリハビリ療法を充実させた病院を構築していきたいと考えています。

    もっと見る

    関連物件情報

    もっと見る

    page top