厚生科学審議会の副反応検討部会(桃井眞里子部会長)と薬事・食品衛生審議会の安全対策調査会(五十嵐隆会長)の合同会議が11月29日に開かれ、子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)の接種歴の有無にかかわらず報告されている原因不明の「多様な症状」を「機能性身体症状」と位置づけることを決めた。
「多様な症状」を巡っては、医師の専門性の違いや主症状の違いなどから、同一と思われる状態でもさまざまな傷病名で診療が行われており、問題視されている。
桃井氏は、「機能性身体症状は、器質的疾患と違って検査指針やバイオマーカーがなく、医学界でさえ(正しく)理解されていない」と指摘。「この状況がより混乱に拍車をかけている」として、多面的な方策や情報提供の必要性を訴えた。
これを受け厚労省は、「ファクトベースであることは重要だが、情報の受け手がしっかり理解できることが大事」だとして前向きな姿勢を見せた。
合同会議ではこのほか、2014年1月の検討以降、新たな質の高いエビデンスはないことを確認した。