医道審議会の医師国家試験改善検討部会(部会長:中谷晴昭 千葉大副学長)は16日、医師国試の改善に向けた検討を開始した。第112回国試(2018年2月実施)から適用された試験日数短縮や出題数削減の影響などを検証。2020年3月をメドに報告書を取りまとめる。
同部会では、概ね4年に1度のペースで医師国試の出題内容や合格基準などの見直しを行っている。15年3月に取りまとめられた前回報告書に沿って、第112回国試から試験日数が3日間から2日間へ短縮され、出題数もそれまでの500題から400題に減らされた。厚生労働省は同部会でこれらの見直しの影響と評価の分析を行い、20年度中にも出題基準改定に反映させたい考えだ。
医学生の診療技能や態度を評価する共用試験OSCE(客観的臨床能力試験)の位置づけも主要な論点の1つとなる。20年度より医療系大学間共用試験評価機構(CATO)を実施主体として全国の医学部で臨床実習後OSCE(Post-CC OSCE)が実施される予定となっており、既にトライアルが始まっている。国試としてのOSCEの実施を巡っては医学教育関係者の間でも賛否が分かれているが、国試導入の妥当性も検討する。
このほか、外国の医学部・医学校の卒業者が日本の医師国試を受験するケースが増加傾向にあることから、試験方法などの対応を議論する。