現在,わが国では生殖可能年齢女性の10人に1人が罹患しているとされる子宮内膜症は,強い月経痛により女性のQOLを低下させるのみならず,妊孕性の低下,卵巣癌リスクの上昇などの原因となるため,女性の生涯にわたってサポートが必要な疾患である。また,月経困難症に早期に医療介入することにより,疼痛による苦痛のみならず,子宮内膜症発症リスクを軽減できることも期待されている。
今回の特集では,プライマリケア医,婦人科外来担当医,子宮内膜症治療の専門医がどのように連携して,女性の生涯を通じてこの疾患に対応すべきか,それぞれの専門的立場からまとめた。
1 プライマリケア医による月経困難症患者へのアプローチ
神戸市立医療センター中央市民病院産婦人科副医長 池田裕美枝
2 月経困難症・子宮内膜症診療における 婦人科外来担当医の役割
四季レディースクリニック院長 江夏亜希子
3 子宮内膜症に対する手術治療のポイント
─こんなときは専門医へ
鳥取大学医学部生殖機能医学准教授 谷口文紀