厚生労働省の「医療従事者の需給に関する検討会」は19日、今後の医学部定員数と医師偏在対策の方向性を盛り込んだ中間とりまとめ案を大筋で了承した。2017年度で終了する医学部定員の暫定増の措置を「当面延長する」としている。
医学部定員の暫定増は、08年度に、医師不足が深刻な都道府県や医師確保が必要とされる地域を対象に始まった。ただ、制度開始時の入学生が今年3月に臨床研修を終えたばかりで、効果の検証ができていないことから、当面の間、暫定増を継続することとした。
また、都道府県・大学は暫定増とは別に、19年度まで毎年、医学部定員の追加増員もできることになっているが、厚労省の推計では、24年にも医師の需給は均衡し、供給過剰に転じるとしている。
これを踏まえ、中間まとめでは、19年度までの追加増員の要望について、「慎重に精査していく」としている。
●医師の働き方調査、「ビジョン」策定へ
なお、同推計では、「女性医師の働き方や医師の高齢化が与える影響を十分に把握できなかった」(厚労省)ことから、同省は医師の勤務状況等に関する全国調査を年内に実施。必要医師数を検討する際の目安となる「新たな医療の在り方を踏まえた医師の働き方ビジョン(仮称)」を策定する予定。