日本専門医機構が4日、新しい理事体制となって初の理事会を開き、理事長に吉村博邦氏(地域医療振興協会顧問・北里大名誉教授、写真中央)、副理事長に松原謙二氏(日医副会長、左)、山下英俊氏(山形大教授、右)を全会一致で決定した。理事の推薦に基づき挙手で採決した。吉村理事長は日本医学会連合、松原副理事長は日医、山下副理事長は全国医学部長病院長会議の推薦による理事。新理事24人のうち再任は4人に留まるが、吉村理事長は再任された1人。
理事会終了後の会見で吉村理事長は、来年度開始予定の新専門医制度に対して医師の地域偏在を助長する懸念が示されるなど、現在の機構について「今はダッチロール状態で着地点が見出せていないので正常に戻したい」とし、「各理事、各学会に地域医療の崩壊を来さない具体的な提案をいただいて、バラバラではなく(19基本領域が)同じ土俵に立ってスタートしたい。今月中に(来年度の)方向性を出したい」との方針を示した。日医・四病協が求めている「新たな検討の場」の設置については、今後検討する意向を示した。
なお、前の理事会は6月27日、日本医学会連合に新理事の追加推薦を1名依頼することを決定していたが、4日の理事会でその議論は行われなかった。
吉村理事長は1966年東大卒。日本呼吸器学会理事、全国医学部長病院長会議会長など歴任。日本専門医機構の前理事体制では「総合診療専門医に関する委員会」の担当理事を務めた。