厚生労働省は26日、『事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン』の参考資料として、「企業・医療機関連携マニュアル」を公表した。医療機関が勤務情報提供書で確認すべき事項や主治医意見書作成の際の留意点ついて、具体的な事例を示しつつ解説している。同省ホームページ(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000199324.pdf)からダウンロードできる。
マニュアルでは、勤務情報提供書の様式を例示。医療機関が確認すべきポイントには、①勤務者の働き方(作業内容や作業負荷)、②繁忙期や出張の有無、③休暇の取りやすさ(有給休暇の残り日数等)―などを挙げ、通院日の調整への活用を求めている。
主治医意見書の作成に当たっては、事業者や労働者が悩んでいることを確認するよう推奨。避けるべき作業がある場合、その作業を制限しても就業継続・職場復帰に差し支えないか確かめ、就業上の措置や配慮事項を労働者とも話し合って検討すべきとしている。
意見書作成の留意点としては、事業者にとっては、医学情報よりも、疾病や治療に伴う副作用が業務に及ぼす影響や今後の見通しが重要であると指摘。がんの進行度など、両立支援に不必要な情報は「かえって事業者の不安を煽りかねない」と注意喚起しているほか、「受診スケジュールや入院・療養が必要な期間は事業者が時間的な配慮を行うためにも重要な情報」「複数科受診している場合は必要に応じて他科の受診状況や治療状況も確認する」などの助言も記載している。