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Asherman症候群や中隔子宮の子宮鏡下手術における術後管理について

No.5237 (2024年09月07日発行) P.53

佐古悠輔 (聖路加国際病院女性総合診療部/藤田医科大学分子遺伝学研究部門)

小野修一 (駿河台レディースクリニック院長)

登録日: 2024-09-04

最終更新日: 2024-09-03

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  • Asherman症候群や中隔子宮の子宮鏡下手術における術後管理について,エストロゲン製剤の追加やFD-1留置,second look子宮鏡の期間やコツなどをご教示下さい。
    駿河台レディースクリニック・小野修一先生にご解説をお願いします。

    【質問者】佐古悠輔 聖路加国際病院女性総合診療部/藤田医科大学分子遺伝学研究部門


    【回答】

    【術後の癒着予防には様々な方法が行われているが,残念ながら高いエビデンスレベルでの報告がないのが現状である】

    子宮鏡下手術の晩発合併症として子宮内腔の癒着があり,その頻度は子宮鏡下中隔切除術後には6.7%,子宮腔癒着症の外科的剝離後の再癒着は3.1~23.5%に発生すると報告されています1)

    これまで術後の子宮内腔の癒着予防にはホルモン療法や子宮内避妊具,バルーンカテーテルの留置などが行われてきましたが,高いエビデンスレベルでの報告はありません1)。また,自作のシリコンシートの挿入やヒアルロン酸ゲルあるいはカルボキシメチルセルロースのような癒着防止材の留置も癒着予防には効果があると報告されていますが,いずれも国内では承認されていないのが現状です1)2)。術後早期のsecond look子宮鏡検査が癒着予防に効果があるとの報告もありますが,これは軽度の膜状の癒着を認めた際に灌流液による圧やカメラによる鈍的操作またはハサミ鉗子での癒着の解除が容易であり,さらなる癒着の進展を防ぐことが可能と考えられています3)

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