HIV感染症を取り巻く臨床的な問題点は,変化してきた。近年では,予後の改善に伴って,HIV感染者のagingが問題になりつつある。一般の場合でも,agingに伴い問題となるのは,血管障害,悪性腫瘍,認知症の3つである。今,HIVの世界でもまったく同じことが起こりつつある。本特集では,HIV感染者のこの3つの問題に関してそれぞれの専門家の先生方に解説をいただいた。今後,間違いなく増加するHIV陽性透析患者への対応,一般の人より早めのがんチェック,HIV関連神経認知障害の治療法開発など,課題山積である。
1 血管障害〔慢性腎臓病(CKD)/心血管疾患(CVD)〕
西島 健(国立国際医療研究センターエイズ治療・研究開発センター客員研究員/厚生労働省健康局結核感染症課医療専門職)
2 非AIDS指標悪性腫瘍(NADM/NADC)
今村顕史(がん・感染症センター都立駒込病院感染症科部長)
田中 勝(がん・感染症センター都立駒込病院感染症科)
3 HIV関連神経認知障害(HAND)
猪狩英俊〔千葉大学医学部附属病院感染制御部 部長(診療教授)〕